木の住まい③

木材の含水率は、
乾燥収縮による変形、強度に大きく影響するため、
極めて重要にな要素であることは、
前回までにお伝えしてきた通りです。

一般に、木材を乾燥すると、
まず細胞の外側にある自由水が失われ、
その後、細胞の内側にある結合水が徐々に減少していきます。
自由水がなくなり、
結合水が細胞内で飽和状態にある繊維飽和点で、含水率は約30%です。
自然乾燥では、含水率15%程度にまで下がります。
さらに人工的に乾燥させると、
最後には水分を全く含まなくなります。
結合水の減少によって、
乾燥収縮が生じ、強度は反対に増していきます。
含水率は、最終的には、
接している空気の湿度と温度に応じて平衡状態になり、
その含水率は、15%程度です。
ですから含水率15%以下の木材を使用することが理想的なのです。

乾燥した木材を使用しても、
雨に濡れると再び水分を含んでしまうのではないか?
と思われるかもしれません。
実際には、雨など、一時的に外部から木材に侵入する水分は、
晴れた天気が続けば1週間程度で放散されます。

もともと内部に蓄えていた水分を放出するには、
しばらく時間がかかります。
しかし、雨などで一時的に外部から侵入する水分は、
それより早く放出されるのです。