月刊ファミリー2025年12月号掲載

大掃除は我が家への恩返し！成熟した住まいが福を招く

師走も折り返しを迎え、街の賑わいに心が華やぐ一方で、そろそろ大掃除をしなくてはと、少し気重になっている方も多いのではないでしょうか。

寒くて忙しい時期の掃除は、どうしても億劫になりがちですよね。
でも、その時間を単なる汚れを落とす作業ではなく、家を育てる機会と捉え直してみてはいかがでしょう。

家に自然素材が使われているなら、時を経るごとに風合いが増す経年美化の魅力を引き出してあげましょう。
例えば、床材が無塗装無垢材なら、一年分の感謝を込めて丁寧に拭き上げ、天然素材由来のワックスを塗ることで、木目はより深く、艶やかな表情を見せてくれます。
家族がうっかりつけてしまった傷さえも馴染んで思い出という味わいに変わるから不思議です。

工業製品の材料は古くなることで劣化に向かいがちですが、手をかけた自然素材は成熟します。
そう考えると雑巾がけのひとつひとつが愛着を深める豊かな時間に変わるはずです。

今年一年間、雨風や暑さ寒さから家族を守ってくれた我が家に「今年もありがとう、お疲れ様」と声をかけながら磨き上げれば、住まいもきっと清々しい空気を返してくれます。

ピカピカに育った住まいで、どうぞ温かくして、よいお年をお迎えください。

いわい一級建築士事務所
住まいる先生　岩田邦裕
kunihiro@iwaihousing.com
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