一年を通して快適に過ごすためには、断熱性に優れた住宅であることがポイントです。断熱性能を高めると、家の中の温度を一定に保つことができます。高い断熱性能を求める場合には木造が一番有利です。木造の断熱工法にも、さまざまな種類があります。そこで今回は、よく使用される「断熱工法」の種類やどの断熱工法がよいのかを解説します。

□よく使用される「断熱工法」の種類

*充填断熱工法 

壁や天井、柱など、構造材の内側や間に断熱材を充填する工法です。内断熱とも呼ばれています。グラスウールやロックウール、セルロースファイバーなどの繊維系断熱材やウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、フェノールフォームなどのプラスチック系断熱材などの多種多様な断熱材が使用されます。

*外張断熱工法   

柱など構造体の外側に断熱材を張り付ける工法です。外断熱とも呼ばれています。主に硬質ウレタンフォームや押出法ポリスチレンフォーム、フェノールフォームなどの板状のプラスチック系断熱材が使用されます。

*付加断熱工法

断熱材を充填した構造体の外側に断熱材を張り付けて付加する断熱です。充填断熱と外張断熱を組み合わせて、欠点を補うことで熱損失が少なく断熱性能を高めることができます。価格的には高くなりがちですが、それに見合うメリットが豊富です。

□どの断熱工法がいいのか?

*経済性

価格のみを比較すると、低価格な順から充填断熱(内断熱)、付加断熱(内断熱+外断熱)、外張断熱(外断熱)となります。特に​​付加断熱では、断熱性能を高めることができるので費用対効果という点では付加断熱がもっとも良いとされています。

*施工性

一般的に難易度が低い順から、充填断熱、外張断熱、付加断熱となります。ただし、充填断熱と外張断熱の差は、ほとんどありません。どの工法を採用しても、断熱材に隙間があると建物全体の断熱性能を下げてしまいます。工法と断熱材に費用をかけたのに施工が悪く、建物全体の性能が良くなかったというのだけは避けたいものです。

*耐震性

​​​​住宅そのものの耐震性は、基本的には断熱工法では違いはありません。断熱不良によって、壁内で結露が発生し、結露水によって耐震部材を傷めないようにすることが大切です。間違った断熱工法の選択によって、耐久性が低くならないようにする必要があります。

*断熱性

断熱性は、使われる断熱材の性能と断熱材の厚さに比例します。外張断熱、充填断熱、付加断熱などの工法ではなく、使われる断熱材の性能と厚みによって決まってきます。ただ、充填断熱は、柱の部分には断熱材が入っていないため、それを補う分だけ、断熱材を厚くしてやる必要があります。

*気密性

気密性とは、建物の隙間の少なさです。気密性能を気にされる方も多いと思います。気密性能が低いと換気扇を有効に活用することができないからです。気密性能は、それぞれの断熱工法に適した気密処理がされているかによって性能が違ってきます。

*耐火性

プラスチック系断熱材を外側に張り付ける外張り断熱と付加断熱では、隣家の火事による延焼耐火性では低くなる心配があります。その場合には、難燃性に優れたフェノールフォームなどの使用も検討してください。

*耐久性

湿気が断熱材内に入り込むと断熱材内で結露が発生する心配があります。結露水が発生すると建物の耐久性を下げてしまいます。断熱工法にあった防露処理をしないと耐久性能が下げることになります。特に断熱材内に湿気が入り込みやすい繊維系断熱材は、特に注意が必要です。

*防蟻性

基礎で外張断熱を採用する場合には、シロアリに対策が重要になります。基礎と断熱材の間に隙間があるとシロアリはそこを通って、建物本体に侵入します。断熱材を型枠代わりにして直接コンクリートを流し込んで隙間ができないようにしたり、シロアリ対策がされた断熱材を採用するなどの対策が必要です。

*防音性

断熱性能や気密性能が高くなるほど、外部から音は聞こえなくなり、防音性は高いと言えます。吸音性能という点では、繊維系断熱材(グラスウールなど)が、プラスチック系断熱材(ポリスチレンフォームなど)に比べて優れています。そのため、繊維系断熱材を使用する充填断熱、付加断熱は、吸音性が高くなると言えます。

□まとめ

よく使用される「断熱工法」として、充填断熱工法、外張断熱工法 、付加断熱工法があります。断熱性があることはもちろんですが、それ以外にも断熱材や工法によって特徴が異なります。ご自分で断熱材を判断されるのは難しいと思いますので、どんな家にしたいのか、どんな性能を求めるのかなど、経験豊富な設計者にご相談されることをおすすめします。快適な住まいづくりを目指されることを願っています

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