木の手触り(その3)
ざらざら感とつるつる感

今回は、木の表面の仕上げ方についてです。

「ざらざら」の場合、木と手の接触面に空気が存在するため、手から熱が逃げにくく温かく感じます。
「つるつる」の場合、木と手の接触面が多くなり、手から熱が奪われるため冷たく感じます。

さらに、年輪によっても木の手触りが異なります。
年輪は、早材(春に形成される木目の淡い色の部分)と晩材(夏に形成される木目の濃い色の部分)によって構成されています。
スギが晩材と早材の密度や細胞の大きさの差が激しいのに比べ、ヒノキは、晩材と早材の差が少なく、手触りはスギより「つるつる」しています。
同じかんな仕上げでもスギの方が温かく感じるのはそのためです。

また、見た目の光沢によっても「ざらざら」感と「つるつる」感を判断しています。
そして、光沢が少なく「ざらざら」した木材は温かいイメージを受ける事が多く、反対に光沢があり「つるつる」した木材は冷たいイメージを受ける事が多いようです。

次回は、見た目の光沢を左右する木材の加工仕上げをお伝えします。