木の手触り(その4)
ざらざら感とつるつる感

今回は、見た目の光沢を左右する木材加工の仕上げ方についてです。

触れた肌が木に吸い付くような「かんな仕上げ」、ブラシ等でこすり、木目の柔らかい部分(春目)を削ぎ落として木目を浮き上がらせる「うづくり仕上げ」、手斧(ちょうな)という道具でハツリながらさざ波のような跡をつける「ちょうな仕上げ」、同じように手斧で削り、その跡をデザインに活かす「ちょうななぐり」等があげられます。

この中ですと「かんな仕上げ」が最も滑らかで、「ちょうななぐり」が最も粗くゴツゴツしています。

書院作りに涼しげな印象を受け、民家の荒々しさに暖かな印象を受けるのは、手触りと同時に見た目のざらざら感とつるつる感も作用しているためです。

木材の樹種や仕上げ、使う道具等の組み合わせによって、好みに応じた様々な空間を造ることが可能です。

この原稿を書いている住まいる塾の教室は、スギ材の柱をうづくり仕上げにし、クリ材の床をちょうな仕上げにした温かな印象の空間にしています。

次回も木のある暮らしと住まいについてです。