木の手触り(その1)
ひんやり感とほんわか感

木材は温かみのある材料です。
ガラス、鉄、コンクリート等に比べて、温かく、手触りが良いことは誰もが実感しており、手すりや玩具等の直接手に触れる物に利用されることも、その表れです。
木材の温かみは何が要因なのでしょうか?

人が材料に触れた時の温冷感を大きく支配するのは、熱伝導率W/(m・K)です。
この値が小さいほど、熱を通しにくく、温かみを感じる材料になります。
例えば、鉄なら83.5、木材なら0.15~0.25、断熱材に使う発泡ポリスチレンは0.03という値です。
木材は断熱材には及びませんが、他の建材に比べると格段に小さい値を示しています。
すぐに熱くなって持てなくなる鉄のフライパンも、取っ手が木材なら、難なく持てるのもこのためです。

住宅において、温冷感が最も実感される部分は床です。
夏の「ひんやり」感は、どの材料でも実現できますが、冬の「ほんわか」感はなかなか難しく、適度な熱伝導率を持つ木材は、夏の「ひんやり」と冬の「ほんわか」を両方実現できる材料と言えます。

次回は、樹種による温熱感の違いをお伝えします。