住まいる考45 住まいの防犯②

住まいの防犯

先日、大阪へ建築資材の展示会に行ってきました。
出展している企業の4割程が、
防犯対策の製品を中心に展示していました。
防犯への関心の高さを改めて実感しました。

戸建て住宅では、窓から進入されないという事が重要になります。
前回もお伝えしたガラスを割られにくくする防犯フィルム、
サッシの施錠部分(クレセント)を開錠しにくくするクレセントカバー、
二重にロックする補助錠等があります。

集合住宅などでは、ドアの施錠が重要になります。
以前、ピッキングが騒がれ、
対策済みの錠に替えられたお宅も多いと思います。
最近は、サムターン回し、カム送りという手口が問題になり、
その対策を施した製品も出ております。
サムターンとは、ドア内側の手で回して施錠する部分の事で、
隙間やドアスコープかどから針金などを使って開錠する事を
サムターン回しといいます。
この対策として、ドアメーカーも採用しているのが、
就寝時や外出時にサムターン部を取り外して、
簡単に開錠できないようにする錠などがあります。

この機会に防犯の点検をされてはいかがでしょうか。

住まいる考44 住まいの防犯①

住まいの防犯①

今回は、防犯対策のお話です。
近年、侵入犯(ドロボー)の被害が増加の一途です。
14年度の統計によると一年間に被害にあった世帯は、
118軒に1軒の割合です。
皆さんの身近で深刻な問題になってきています。

侵入の手口を見てみますと集合住宅では、
ピッキングによる方法が半数をしめています。
そこで、ピッキングされにくい鍵にかえる必要があると思います。

戸建て住宅では、70%強が、ガラスを破っての侵入です。
ピッキングは、意外に少なく 1%未満です。

都市防犯研究センターのデータによると通常の板ガラスのサッシは、
プロの手にかかると19秒で開いてしまうようです。
強化ガラスでは21秒、網入硝子で57秒、
複層ガラス(ペアガラス)で 1分52秒となっています。
外面格子や雨戸、シャッターも、防犯上あまり期待できないようです。

ガラス破りの対策として、
二枚のガラスの間にフィルムを挟み込んだ防犯合わせガラス、
ガラスの内側に貼る防犯フィルム、
これらを組み合わせたペアガラス等が販売されています。

ドロボー被害の15%強は、無施錠の所からの侵入です。
防犯の意識を高めていただくとともに、
対策についても検討されることをお勧めします。

住まいる考43 木の住まい③

木の住まい③

木材の含水率は、
乾燥収縮による変形、強度に大きく影響するため、
極めて重要にな要素であることは、
前回までにお伝えしてきた通りです。

一般に、木材を乾燥すると、
まず細胞の外側にある自由水が失われ、
その後、細胞の内側にある結合水が徐々に減少していきます。
自由水がなくなり、
結合水が細胞内で飽和状態にある繊維飽和点で、含水率は約30%です。
自然乾燥では、含水率15%程度にまで下がります。
さらに人工的に乾燥させると、
最後には水分を全く含まなくなります。
結合水の減少によって、
乾燥収縮が生じ、強度は反対に増していきます。
含水率は、最終的には、
接している空気の湿度と温度に応じて平衡状態になり、
その含水率は、15%程度です。
ですから含水率15%以下の木材を使用することが理想的なのです。

乾燥した木材を使用しても、
雨に濡れると再び水分を含んでしまうのではないか?
と思われるかもしれません。
実際には、雨など、一時的に外部から木材に侵入する水分は、
晴れた天気が続けば1週間程度で放散されます。

もともと内部に蓄えていた水分を放出するには、
しばらく時間がかかります。
しかし、雨などで一時的に外部から侵入する水分は、
それより早く放出されるのです。

住まいる考42 木の住まい②

木の住まい②

前回は、木の住まいの良さと木の含水率についてお伝えしました。
今回は含水率と強度の関係です。

木材は乾燥状態に近ければ郷土尾は大きいのですが、
含水率が20%以上になると強度は著しく低下します。
各種の実験データから木材の曲げに対する強度は、
含水率 0%の強度を最大とすると、
含水率10%で6割、20%5割、
30%で3割強でしかありません。

含水率が大きい木材は、
芯に多くの水分を含み、端部では少なくなっています。
このような木材を構造材で使用すると、
強度が低い上、建築後に乾燥するため、
変形やひび割れが発生するという状態に陥ります。

そこで、人工乾燥という技術が開発されています。
人工乾燥は、まず木材を高温で水分飽和状態にしてから
(水につけたような状態とお考えください)、
ゆっくり乾燥させて、含水率を20%以下になるようにします。
一度、水分飽和状態にすることにより
心材と端材の含水率に差がなくなり割れや、
反りを防いでいます。

木材の強度という観点から、
構造材には含水率15%以下の乾燥させた木材を
使用することをお勧めします。

住まいる考41 木の住まい①

木の住まい①

今回は、木のお話です。

建築物を作る材料は
大きく分けて木・鉄・コンクリートの3つに分類されます。
一般的に住まいを作る場合にお勧めするのは、木の住まいです。
大きな空間をつくる時など、鉄骨が適している場合もありますが、
快適な住まいをつくるという観点では、
鉄やコンクリートは熱を伝えやすいという特性が障害になります。
一方、木材は、軽量で強度に優れ、
断熱材に近い断熱性能があります。

木の箱・鉄の箱・コンクリートの箱を想像してみてください。
真夏の太陽の下、どの箱が一番熱くなるでしょうか?
その中に入らなければならないとしたらどれを選びますか?

しかし、木にもねじれ・そりといった欠点があります。
それらは木が乾燥し、収縮することによりおこるのです。

以前はこの特性のため、
家を建てるには何年も前から材料を準備し、
乾燥させて使っていたのですが、
いつの頃からか乾燥させて使うという事がなくなってしまいました。

現在では、機械的に乾燥させて
木のくるいを取ったKD材という材料があります。
家づくりの際には、数年前から梁材として、
収縮の起きない含水率 20%以下のKD材を使用してきました。

次回はさらに木の特性について詳しくお話しましょう。

住まいる考40 室内環境の新基準⑤

室内環境の新基準⑤

シックハウス症候群対策を盛り込んだ、
改正建築基準法が7月から施行されました。

この法律は、住空間のある全ての建物で、
新築に限らず、リフォーム等にも適用されますので、
今後皆さんの身近な問題になってくるものと思います。

以前から住まい作りのプランニングに際しては、
今回の法改正の主旨と同様に
室内汚染に気を配った24時間換気システムをつけた住まいを
積極的につくってきた者として、
今回の法改正にも気になる点があります。

24時間換気扇は、
気密性能が一定以上の性能を有する建物でないと
有効に働かないはずですが、
今回の法改正では、気密性能との関係については、
触れられていないということです。

24時間換気は、窓を締め切ったときに
必要最低限の換気量を確保するのが目的です。
窓を開けたほうが、多くの換気量が確保されますので、
冷暖房をしていない時などは、積極的に窓を開けてお住まい下さい。

私がお薦めしてきたのは
24時間換気の先進国である北欧製のシステムですが、
月々の電気代は 300円から500円程度です。

住まいる考39 室内環境の新基準④

室内環境の新基準④

これまで新しい建築基準法施行についての
話題を取り上げてきましたが、
今回は新基準法の具体的な数値についてのお話です。

シックハウス症候群の原因のひとつとされてきたホルムアルデヒドは、
その発散量によって分類されることになりました。

最高ランクがF☆☆☆☆と表記され、
この表記があるものは内装材料として
室内で無制限に使用することが出来ます。

一方、旧FC0規格であるF☆☆☆と
旧FC1規格であるF☆☆は使用面積が制限されます。

また、2時間で室内の空気が全て入れ替わる性能を持った、
24時間換気扇の設置も義務化されます。

内装材料の制限は、条件によって値が違いますが
例えば、室内の空気が
2時間で1回入れ替わる性能の住宅の居室では、
F☆☆☆の建材は床面積の2倍までに制限されるというのが
目安になるでしょう。

施行期日を前にして、
すでに国内建材メーカーが出荷している材料の多くは
☆印の表記に切り替わっています。
ホームセンターなどで
新表記をご確認になってみてはいかがでしょうか。

住まいる考38 室内環境の新基準③

室内環境の新基準③

今年7月1日からシックハウス症候群対策を盛り込んだ、
改正建築基準法が施行されるという話題を取り上げて
きましたので、ここで改めてシックハウスについて
ふれておきましょう。

シックハウスとは、
住環境が原因でおきる様々な症状のことです。

家に入ると眼がしみる、気分が悪くなるといった
軽度なものから、アトピー性皮膚炎、喘息の悪化などの
アレルギー疾患悪化、さらに進行して
微量な化学物質にまで反応する化学物質過敏症まで
様々な病態を含みます。

これらの原因が住環境由来であれば
それらは全てシックハウス症候群に当てはまります。

一般に、現代人は一日の90%を
室内で過ごしていると言われています。
ところが、室内の空気は、外の空気に比べて、

1)一酸化炭素
2)二酸化炭素
3)ホルムアルデヒト
3)パラジクロロベンゼン

などの濃度が常に高いのです。

大気中にこうした物質が増えれば
人間の健康状態に影響を及ぼすのは、誰の目にも明らかでしょう。
また、ダニやカビよるアレルギーという問題も
見逃すことはできません。今回規制されるのは、
化学物質ですが、よく換気をして、
室内に新鮮な空気を取り入れることが、重要になります。

住まいる考37 室内環境の新基準②

室内環境の新基準②

平成15年7月1日からシックハウス症候群対策を
盛り込んだ、改正建築基準法が施行されることになりました。

主なものは、

①有機リン系防虫剤として使用されている
クロルピリホスを発散する恐れのある建築材料の使用禁止

②ホルムアルデヒドを発散する恐れのある
建築材料の使用制限

③機械換気設備の設置義務
(原則として全ての建築物全体に義務付け。)
などです。

クロルピリホスという薬剤は、
シロアリ駆除剤や防虫畳・殺虫剤の原料として
使われてきたもので、接着剤の中などに含まれる
ホルムアルデヒドと共に室内空気汚染の
原因物質として指摘されてきました。
今回は、この二つが、規制の対象となりました。

今回の改正のポイントは、
有害物質を室内に入れないこと、
そして有害物質を室外に排出することの 2点です。
従来の基準法に沿った住宅にお住まいの方は、
合板や家具、防虫剤・殺虫剤などから
出ているおそれがある有害物質を室内にためないよう、
換気を心がけましょう。

また、シロアリ駆除・防虫などの薬剤にも
十分気を配ることが大切です。

住まいる考36  室内環境の新基準①

室内環境の新基準①

住宅に関心のある方はご存知かと思いますが
「高断熱高気密」という言葉があります。
省エネルギー住宅を造るためには断熱性能だけではなく、
隙間風の少ない気密性能の高い家を造る必要があるわけです。

10年程前、私が省エネ住宅に取り組み始めた頃には
こういった住宅は特別なものとして受け止められていましたが、
現在では省エネ住宅に対する住宅金融公庫割増融資制度も
追い風となり、省エネ住宅が、随分増えてきました。

また、省エネ仕様でない住宅の場合も
以前に比べて気密性能が高くなってきています。
実際に気密測定してみると、
気密住宅に分類されるような性能が出ているにも関わらず、
住み手にその認識がないことが問題になっているのです。

高気密仕様で設計された住宅には、
建物全体を換気する計画換気扇を設置しますが、
実際には建物全体の換気を考慮せずに造られた住宅が
相当数見受けられ、それがホルムアルデヒドなどの
有害化学物質を長時間住宅内にとどめる原因を
作り出しているのです。

今年7月には国の新しい建築基準法が施行され、
このような問題への新たな取り組みが始まることになります。

住まいる考35 家にも防寒が必要です③

家にも防寒が必要です③

今回も、前回に引き続き住まいの断熱材のお話です。

住まいに興味をお持ちの方々から
外断熱と内断熱の質問をいただくようになりました。
最近、外断熱に関する本が多く出て、
関心を集めているようです。

簡単に言えば、断熱材を入れる場所の違いなのですが、
考え方としては大きな違いがあり、
それぞれに長所と短所があります。

木造を例にとりますと、
建物の柱と柱の間に断熱材を入れて、
柱と断熱材が一体となって熱を遮断する構造にしたものを
内断熱といいます。
従来、この地方で一般的に建てられてきた方法で、
住まい方に関しても、従来との違いはありません。

それに対し、外断熱は柱と外壁の間に断熱材を入れて、
建物を断熱材で覆ったような形のものを言います。
外断熱は、柱と柱の間が空洞になりますので、
空気の流れを作りやすく、
壁内に湿気をため込まないという利点はあります。

しかし、柱自体が断熱材内側の蓄熱材になりますので、
冷暖房時に柱も室内温度と同じ温度にする必要があります。
そこで24時間冷暖房をお勧めするのですが、
この地方では、24時間冷暖房に
抵抗を感じる方が少なくないようです。

住まいる考34 家にも防寒が必要です②

家にも防寒が必要です②

今回は、前回に引き続き、住まいの断熱材のお話です。

断熱材は、基本的に空気を閉じ込めて、
その空気で熱を遮断する建材です。
閉じ込める方法の違いにより、
断熱材は繊維系とプラスチック系とに分けられます。

繊維系とは、綿状になっていて、
綿の中に空気を取り込んで、空気の対流が
起こらないようにしたもので、ガラス繊維のグラスウール、
パルプ繊維のセルローズファイバーなどがあります。
以前は、価格の安さから7割以上の住宅で、
グラスウールが採用されていました。

しかし、繊維系には、断熱材の大敵である
湿気を取り込みやすいという欠点があります。
また、セルローズファイバーは、
新聞古紙からつくられることが多く、
インク等の残留化学物質の拡散に注意する必要があります。

プラスチック系とは、発泡プラスチックで、
空気を閉じ込めたまま、板状に固めたもので、
ポリウレタン・ポりスチレンなどがあります。
プラスチック系は、紫外線や熱に弱いという欠点があります。

どの断熱材も一長一短があり、
使い方を誤ると住宅と
あなたの寿命を縮める結果になってしまいます。